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ブランド保持の罠
2015年01月16日

数年ほど前、少しずつ世の中に自分の名前が認知され始め、イメージというものができつつある時だった。僕たちのような知名度を生かす職業はイメージが重要になる。その頃から、イメージが壊れるような仕事は避け、うまくいくかどうかわからないプロジェクトは避け、人と会うときや詳細なプロジェクトは事務所が管理していた。

今、考えてみれば少し自意識過剰だったかなと思うけれど、当時はせっかく手に入ったブランドを無くさないように必死だった。

2008年に日本を離れてからは露出も減り、それから競技での成績もでなくなり、日本に帰っても道を歩いていてもほとんどの人がこちらを見なくなった。スポンサーも離れ、仕事もないから収入も減り、車ではなく電車で移動するようになり、元々の普通の生活に戻っていった。自分で誰と会うかを決め、小さいプロジェクトを始め、仕事を断るときもやるときも、自分の意思決定でするようになっていった。しばらくするとちょっとずつ仕事がわかるようになっていった

チャレンジは失敗する確率がある一定以上ある計画実行のことをいう。成功が確定していることはチャレンジとは言わない。そして人はチャレンジの数だけある確率で失敗をし、学び深く理解する。

私たちの商売は、イメージが売り物みたいなもんだから、小さな仕事をしてなんだあいつはなんなもんかと思われたり、失敗してブランドイメージが落ちることを避けがちになる。ところが皮肉なことにブランドを守り、選手を守るということそのものが、選手自身の成長を阻害する側面がある。自分で意思決定をし、失敗した時は自分に跳ね返ってくる状況で、プロセスに身を置き、失敗を繰り返しながら工夫することほど学びになるものはない。

ブランドと信用がある程度ある中で、失敗したり、世の中にがっかりされる恐れのあるチャレンジをし続けることの難しさと大切さ。価値があればブランドを再構築できる。ブランドしかなければ一度崩れたら再構築するのが難しい。

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