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信じて待つ人
2014年11月25日
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僕の大学時代はあまり褒められたものではなくて、結構外から見るとよろしくなかったように思う。頭は金髪だったし、なんだか当時流行ったでっかいピアスが空いていて、パチンコか麻雀か練習という感じの毎日だった。

陸上競技は比較的優等生のスポーツだから、結構疎まれていたように思う。地元に帰っても”終わったな”と言われることも多かったし、実際に競技レベルも停滞していて、よくある大学時代に沈んでいく選手のパターンだった。僕も今そういう選手を見たら”終わった”パターンだと見なしていると思う。周囲にも攻撃的だったし、遅れてきた反抗期という感じだった。

大学時代にある記者が当時の短距離の担当だった高野進さんに僕について今後どうなるか、もう厳しいのかを聞いたことがあった。その時高野さんがびっくりしたような顔で言ったそうだ。”本気で言っているの?器が違うよ。あんなもので終わるはずがない”記者の方からそれを聞いた時、何か自分の中で火がつくものがあった。

大した根拠もなかったのかもしれないし、どの選手にも毎回そう言っているだけかもしれない。でも、それは一人の若者に火をつけるには十分だった。僕は騙されて本当に自分は器が違うんだ、だからもっとでっかくならないとと思うようになった。

信じて待つ大人がいる。いい時に褒める人はたくさんいる。でも悪い時に待つ人はそんなにいない。若者は勘違いしやすい。良くも悪くも。僕は良い方に勘違いをした。そしてそうさせてくれる大人がいたのは幸運だった。

信じて待つ人はどこかにいる。そういう人は本当に時に人の人生を変える。

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