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圧倒的成長と人材流動性
2017年06月23日

圧倒的成長ということを文化にしている会社は日本に多い気がします。海外でもあるのかもしれませんが、私の知る限りこういった言葉を標語にかかげている会社を見かけません。中国や韓国にはありそうですが。just do itというマッチョな表現をしているナイキですら、本社を訪ねた時に社員は昼休みにサッカーをしたり、夕方同僚とランニングをして楽しんでいて、成長をしているのかもしれませんが少なくとも時間の上では余裕がありそうでした。

私なりに解釈したところ、成長を促す一番の理由はメンバーの流動性の低さではないかと思います。スポーツにおいてはプロよりも、アマチュア、しかも部活動のような文化の方が成長という標語を掲げることが多いです。なぜかといえばスカウティングが難しく(多少はできるのですが)、かつプロのように途中で入れ替えをすることができません。いくら成績が悪くてもやめさせて相手校の選手と入れ替えることができないわけです。

では、人の入れ替えができないとなるとどうするかというと、今いるメンバーの能力を最大限に活かすしか無くなるわけです。だとしたらみんなが成長するための文化づくりを行うことになります。実は部活動はとても優しいところがあって、少なくとも建前上はどんな子供の成長にもコミットします。見捨てたりしません。いずれ外の世界に出た時に困らないように成長にコミットするわけです。ところがプロは違います。その選手が将来困るかどうかはあまり関係がありませんし、そもそも成長するかどうかが個人の責任という認識が強いです。悪くなればいい選手と入れ替えるだけです。

日本社会において成長が採用されやすいのは、人材の流動性が低く、今いるメンバーでできることを考えなければならない中で自然と生まれてきた文化なのではないかと思います。環境に合理的に適応したともいえそうです。ですが、これから人材の流動性が高まり、フリーランス的に働く人が増えてくると、少しずつこの文化も変わるのかもしれません。世知辛い世の中です。

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