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サピエンス全史
2017年01月14日

遅ればせながらサピエンス全史を読了しました。とても面白かったです。


地球上にいた無数の生物のうち、なぜホモ・サピエンスだけが頂点に立てたのか。それは虚構を信じてそれを語り共有できる力だったと著書は主張します。宗教、貨幣、帝国、資本主義、共産主義、など、これまで人類が経てきたプロセスを丁寧に説明します。その根底にはただそうであると皆が信じていることがあるだけだと。また、なぜこの近代に到るまで(今は少し逆転しつつありますが)西洋が先行し、アジアが出遅れたかということを、資本主義と、科学と、そして好奇心を絡めながらわかりやすく説明しています。

読んでいくうちに、いかに我々が生きている世の中が生物史、人類史において特別な状況で、また将来もそうであるという確証が何もないということに気がつかされます。宗教を説明しているのですが、仏教を少し別のものとして捉えているのも面白かったです。仏教だけは、感情を肯定せず、それらは表象であり、表象でおきていることを追いかけているうちには決して心の平穏は訪れないと。その他の宗教つまるところ感情を追いかけていると書いていました。

私は常々、世の中がどうも幻っぽいなと思って生きていますが、人に説明しようにもなんとなく全部幻みたいじゃないですかと言うしかありませんでした。それがこの本を読んで、これだけあらゆるデータと事実を積み重ねながらやっぱり幻ですねというのはとても説得力があるなと感動しました。今度から、何も言わずこの本を差し出そうと思います。

未来のくだりもとても面白いです。私は義足作りに関わっていたり、またドーピングの情報などにも触れることが多いですから、遺伝子ドーピングの行き着く先を考えると確かにあり得るなという気持ちにさせられました。一体そうなると、人類の認識はどう変わるのでしょうか。

いかに自分が思い込みの中を生きているのか痛感させられました。おすすめです。

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